会計フロー · リース
リースの会計フロー
取引(立場)を選ぶと、それがリースの識別から表示・開示まで 1 本の流れで会計処理を辿る様子が見えます。 各ステップの解説は再利用可能な論点ユニットとして外出しし、複数の取引から共通参照します。
取引・立場を選ぶ
借手
貸手
特殊論点
借手の会計
資産を借りて一定期間使う
- 契約時 リースの識別 比較 ♻ 共通ユニット
特定された資産があり、使用の支配(便益+指図)が移転しているかでリースか否かを判定する。
解説を見る 出典: IFRS 16.9, B9–B31 / 企業会計基準第34号・適用指針第33号
- 契約時 リース期間の決定 比較
解約不能期間に、合理的に確実なオプション期間を加えてリース期間を決める。測定の出発点になる。
解説を見る 出典: IFRS 16.18–19, B34–B40 / 企業会計基準第34号
- 開始時
- 保有中・各期末 借手の事後測定 比較 ♻ 共通ユニット
IFRS 16・第34号ではリース負債は利息法・使用権資産は定額法で展開し費用がフロントロードする(ASC 842 のオペレーティング・リースは単一リース費用を定額配分)。条件変更があれば再測定して差額を使用権資産に加減する。
解説を見る 出典: IFRS 16(事後測定) / 企業会計基準第34号
- 終了・変更時 借手のリース終了・条件変更 比較
使用権資産とリース負債を除去し差額(+違約金)を損益認識。範囲縮小は使用権資産を比例減額する。
解説を見る 出典: IFRS 16(リース終了・条件変更) / 企業会計基準第34号 / ASC 842
- 各報告日 表示・開示 比較 ♻ 共通ユニット
使用権資産・リース負債を区分表示し、減価償却費・利息費用を開示する。リース負債の満期分析(割引前)は IFRS 16・ASC 842 で求められ、第34号の借手注記はキャッシュ・アウトフロー総額等で満期分析を含まない。
解説を見る 出典: IFRS 16.47–60, 89–97 / 企業会計基準第34号 / ASC 842
貸手の会計
資産を貸す
- 契約時 リースの識別 比較 ♻ 共通ユニット
借手側と同じ枠組みで、契約がリースを含むかを判定する。リースなら貸手の分類へ進む。
解説を見る 出典: IFRS 16.9, B9–B31 / 企業会計基準第34号・適用指針第33号
- 契約時 貸手の分類・測定 比較
リスクと経済価値の移転で、ファイナンス・リース(正味投資・金融収益)かオペレーティング・リース(賃貸収益)かに分類・測定する。
解説を見る 出典: IFRS 16.61–97 / 企業会計基準第34号 / ASC 842
- 各報告日 表示・開示 比較 ♻ 共通ユニット
ファイナンス/オペレーティングそれぞれの注記(満期分析・正味投資の調整等)を開示する。
解説を見る 出典: IFRS 16.47–60, 89–97 / 企業会計基準第34号 / ASC 842
セール・アンド・リースバック
資産を売却して直ちに借り戻す
- 取引時 リースの識別 比較 ♻ 共通ユニット
借り戻す取引がリースに該当するか(識別)を確認したうえで、SLB の規定を適用する。
解説を見る 出典: IFRS 16.9, B9–B31 / 企業会計基準第34号・適用指針第33号
- 売却・リースバック時 セール・アンド・リースバック 比較
支配の移転で売却の成否を判定。売却が認識される場合は IFRS 16=部分認識/第34号・ASC 842=全額認識。売却が認識されない場合は金融取引として資産を継続認識し受取額を金融負債とする。
解説を見る 出典: IFRS 16.99–103, 102A / 企業会計基準第34号・適用指針第33号 / ASC 842-40
- リースバック保有中 借手の事後測定 比較 ♻ 共通ユニット
売却が認識された場合のリースバックは借手として通常どおり事後測定する。金融取引の場合は金融負債の利息計上・元本返済を続ける。
解説を見る 出典: IFRS 16(事後測定) / 企業会計基準第34号
- 各報告日
サブリース(中間貸手)
借りた資産を第三者に又貸しする
- 契約時 リースの識別 比較 ♻ 共通ユニット
ヘッドリースとサブリースのそれぞれについて、契約がリースを含むかを判定する。
解説を見る 出典: IFRS 16.9, B9–B31 / 企業会計基準第34号・適用指針第33号
- 保有中 借手の事後測定 比較 ♻ 共通ユニット
オペレーティング・サブリースに分類される場合、中間貸手はヘッドリースの使用権資産を継続して事後測定する。
解説を見る 出典: IFRS 16(事後測定) / 企業会計基準第34号
- サブリース開始時 サブリース(中間貸手) 比較
ヘッドリースの使用権資産を参照して分類(IFRS 16)。ファイナンス・サブリースなら使用権資産の認識を中止し正味投資を計上する。ASC 842 は原資産参照。
解説を見る 出典: IFRS 16.62, B58 / 企業会計基準第34号・適用指針第33号 / ASC 842-10-25-6
- 各報告日
論点ユニット(再利用部品)
解説は下記のユニットに「1 か所だけ」定義し、上の各フローはこれを参照します。基準改正があれば、 ユニットを 1 つ直すだけで、参照する全フローに反映されます。
契約に特定された資産があり、その使用から生じる経済的便益のほぼすべてを得る権利と、使用を指図する権利が顧客へ移転していれば、その契約はリースを含みます。供給者に実質的な資産の代替権がある場合は資産が特定されず、リースには該当しません。
使用フロー(4): 借手の会計 · 貸手の会計 · セール・アンド・リースバック · サブリース(中間貸手)
解説記事へ解約不能期間に、行使することが合理的に確実な延長オプションの期間と、行使しないことが合理的に確実な解約オプションの期間を加えてリース期間を決めます。賃料・賃借設備の改良・違約金などの経済的インセンティブを総合的に判断し、重要な事象が起きれば再評価します。
使用フロー(1): 借手の会計
解説記事へ借手は開始日に、未払リース料の現在価値でリース負債を測定し、その額に前払リース料・当初直接費用・原状回復費用の見積りを加え、受取済みのリース・インセンティブを控除して使用権資産を当初測定します。短期(12か月以内)リースの費用処理はいずれの基準でも選択でき、少額資産リースの免除は IFRS 16 にあります(ASC 842 には低額資産の免除はありません)。
使用フロー(1): 借手の会計
解説記事へIFRS 16・第34号では、使用権資産を原則として定額法で減価償却し、リース負債は実効金利法で利息を加算しつつリース料の支払で減額するため、初期ほど費用が大きいフロントローディングが生じます。ASC 842 のオペレーティング・リースは単一のリース費用を定額で配分する点が異なります。契約条件が変わると再測定し、差額を使用権資産に加減します。
使用フロー(3): 借手の会計 · セール・アンド・リースバック · サブリース(中間貸手)
解説記事へリースの終了では、使用権資産とリース負債を除去します。期間満了では通常どちらも残高がゼロで差額は生じませんが、中途解約では除去差額(および違約金)を損益認識します。範囲縮小では使用権資産を比例的に減額して差額を損益認識し、購入オプション行使では資産を有形固定資産へ振り替えます。
使用フロー(1): 借手の会計
解説記事へ貸手はリスクと経済価値が実質的に借手へ移転するかで、ファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類します。ファイナンス・リースでは正味リース投資を計上して金融収益を期間配分し、オペレーティング・リースでは原資産を保有し続けてリース料を収益計上します。借手の単一モデルと異なり貸手は2区分を維持します。
使用フロー(1): 貸手の会計
解説記事へ資産を売却して直ちに借り戻す SLB では、まず支配の移転で売却の成否を判定します。売却が認識される場合(金融取引に該当しない場合)、IFRS 16 は留保した使用権部分の利得を繰り延べる部分認識、第34号・ASC 842 は全額認識を採ります。売却が認識されない場合は金融取引として資産を継続認識し、受取額を金融負債として計上します。
使用フロー(1): セール・アンド・リースバック
解説記事へサブリースでは、中間貸手はヘッドリースの借手であると同時にサブリースの貸手になります。IFRS 16 はサブリースの分類をヘッドリースの使用権資産を参照して判定し、ファイナンス・サブリースなら使用権資産の認識を中止して正味投資を計上します。ASC 842 は原資産を参照する点が異なります。
使用フロー(1): サブリース(中間貸手)
解説記事へ借手は使用権資産・リース負債を区分表示し、減価償却費と利息費用を分けて開示します。リース負債の満期分析(割引前)は IFRS 16・ASC 842 では借手にも求められますが、第34号の借手注記は満期分析ではなくキャッシュ・アウトフロー総額・使用権資産の増加額・減価償却額などです。貸手はファイナンス/オペレーティングそれぞれの満期分析を含む開示を行います。財政状態・業績・キャッシュフローへの影響を利用者が評価できるようにするのが趣旨です。
使用フロー(4): 借手の会計 · 貸手の会計 · セール・アンド・リースバック · サブリース(中間貸手)
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