会計フロー · 金融商品

金融商品の会計フロー

取引を選ぶと、その金融商品が範囲・当初認識から表示・開示まで 1 本の流れで会計処理を辿る様子が見えます。 各ステップの解説は再利用可能な論点ユニットとして外出しし、複数の取引から共通参照します。 論点の位置関係を地図で俯瞰したい場合は 金融商品の会計マップへ。

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余資で社債・国債を購入して保有する

  1. 取得時
    金融商品の範囲・当初認識 比較 ♻ 共通ユニット

    金融商品に該当するか・約定日/受渡日のいつ認識するか・取得価額に取引費用を含めるかを確認する。

  2. 取得時
    金融資産の分類・測定 比較 ♻ 共通ユニット

    事業モデルと SPPI 要件で 償却原価/FVOCI/FVTPL を判定する。

  3. 保有中
    償却原価・実効金利・条件変更 比較 ♻ 共通ユニット

    償却原価区分なら実効金利法で利息を認識し、プレミアム/ディスカウントを期間配分する。

  4. 各期末
    公正価値測定 比較 ♻ 共通ユニット

    FVOCI・FVTPL なら各期末に時価評価する(FVOCI は OCI、FVTPL は純損益)。

  5. 各期末
    減損(予想信用損失・ECL/CECL) 比較 ♻ 共通ユニット

    償却原価・FVOCI の負債性金融商品は ECL の対象。ステージ判定を行う。

  6. 売却・満期
    認識の中止・移転・継続的関与 比較 ♻ 共通ユニット

    認識を中止する。FVOCI は OCI 累計額を純損益にリサイクリングする。

  7. 各報告日
    表示・相殺・開示 比較 ♻ 共通ユニット

    金融資産として表示し、相殺要件を満たす場合は純額表示を検討する。

論点ユニット(再利用部品)

解説は下記のユニットに「1 か所だけ」定義し、上の各フローはこれを参照します。基準改正があれば、 ユニットを 1 つ直すだけで、参照する全フローに反映されます。

金融商品の範囲・当初認識 比較

自社の契約が金融商品に当たるか(範囲)、いつ貸借対照表に載せるか(約定日基準/受渡日基準)、最初にいくらで計上するか(公正価値+取引費用の扱い)——この入口3点を判定します。取引費用は、償却原価区分では金融資産は取得価額に加算・金融負債は当初認識額から控除し、FVTPL/FVO 区分では即時費用化するのが基本です。

使用フロー(3): 債券投資 · 株式投資 · 借入・社債発行

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金融資産の分類・測定 比較

金融資産は、事業モデルと契約上のキャッシュフローの特性(SPPI 要件)により、償却原価・FVOCI・FVTPL のいずれかに分類します。分類によって評価方法・評価差額の行き先(純損益か OCI か)・リサイクリングの有無が決まります。日本基準は保有目的区分、US GAAP(ASC 320/321)は証券種類別の区分を採ります。

使用フロー(2): 債券投資 · 株式投資

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金融負債の分類・測定 比較

借入金・社債・転換社債などの金融負債は、原則として償却原価で測定し、売買目的等は FVTPL、IFRS・US GAAP では公正価値オプション(FVO)も選択できます。FVO 選択時の自己の信用リスク(own credit risk)の変動は OCI 表示が原則です。日本基準には FVO がなく、own credit risk の OCI 表示もありません。

使用フロー(1): 借入・社債発行

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償却原価・実効金利・条件変更 比較

償却原価区分の金融資産・金融負債は、実効金利法(EIR)で利息を期間配分します。取引費用は当初帳簿価額に組み込み EIR に反映させます。借換え・リスケなどの条件変更では、認識中止(新規計上し直し)か帳簿価額修正かを判定します。10% テストは IFRS 9 と US GAAP 借手にのみ存在し、日本基準には明示的な定量基準が現時点で確認されていません。

使用フロー(2): 債券投資 · 借入・社債発行

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公正価値測定 比較

公正価値は出口価格(測定日に資産を売却・負債を移転する際の価格)として測定し、評価技法(マーケット・インカム・コスト)とインプットの観察可能性に応じた3レベルのヒエラルキーで分類します。3基準はほぼ収斂しており、残る差異は Day 1 損益・NAV 簡便法・日本固有の適用範囲などです。

使用フロー(5): 債券投資 · 株式投資 · 金利スワップ(デリバティブ) · レポ・現先取引 · 債権譲渡・証券化

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減損(予想信用損失・ECL/CECL) 比較

信用リスクの状態に応じて予想信用損失(ECL)を計上します。IFRS 9 は信用リスクの著しい増大で12か月 ECL と全期間 ECL を切り替える3ステージ、US GAAP(CECL)は当初から全期間損失を一括見積りする単一測定です。償却原価・FVOCI の負債性金融商品が対象で、持分性金融商品や FVTPL は対象外です。

使用フロー(3): 債券投資 · 株式投資 · 金利スワップ(デリバティブ)

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デリバティブ・組込デリバティブ 比較

デリバティブは原則としてすべて公正価値で測定し、評価差額を純損益に計上します(ヘッジ会計を除く)。複合金融商品に組み込まれたデリバティブは、一定要件で区分して測定します。金融資産がホストの場合は区分しない(IFRS 特有)、管理上区分していれば区分処理が認められる(日本特有)などの差異があります。

使用フロー(1): 金利スワップ(デリバティブ)

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ヘッジ会計 比較

ヘッジ手段とヘッジ対象の関係を要件に従って指定し、評価損益の認識タイミングを調整します(任意適用)。公正価値ヘッジ・キャッシュフローヘッジ・在外純投資ヘッジの3類型があり、繰延ヘッジではヘッジ手段の損益を OCI に繰り延べます。適格要件・有効性評価・中止とリバランスの規律が定められています。

使用フロー(1): 金利スワップ(デリバティブ)

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認識の中止・移転・継続的関与 比較

金融資産を譲渡したとき、貸借対照表から除外(認識中止)できるかを判定します。IFRS 9 はリスクと経済価値の移転・支配・継続的関与で、US GAAP(ASC 860)は支配の喪失(法的隔離・自由な処分等)で判定し、日本基準は財務構成要素アプローチを採ります。証券化・ファクタリング・レポ・担保付融資の入口となる論点です。

使用フロー(6): 債券投資 · 株式投資 · 借入・社債発行 · 金利スワップ(デリバティブ) · レポ・現先取引 · 債権譲渡・証券化

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表示・相殺・開示 比較

金融資産と金融負債を相殺して純額表示できるかは、法的に強制可能な相殺権と純額決済の意図(または同時決済)で判定します。判定フローで法的権利・意図・証憑を確認し、貸借対照表の表示と注記(5列表など)に反映します。

使用フロー(6): 債券投資 · 株式投資 · 借入・社債発行 · 金利スワップ(デリバティブ) · レポ・現先取引 · 債権譲渡・証券化

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